宅建とはどんな資格なの?仕事内容から試験日・人気の理由まで網羅してみた

不動産業界の方なら「宅建士」という職業がどんな職業なのかはお分かりだと思いますし、その資格試験である宅建試験のこともある程度はお分かりだと思います。

が、他業種の方だと「宅建という言葉は知っているけど具体的にどんな仕事をするのかわからない」という方が大半だと思います。 そこで、このページでは宅建試験とはどんな試験なのかを解明していきたいと思います。

宅建士の仕事内容

宅建試験に合格して得られる資格は宅建士(宅地建物取引士)ですが、宅建士ってどんな仕事をする人なのでしょうか。

不動産屋の商売は大まかに言って不動産の売買取引や賃貸の仲介です。その際、不動産取引に不慣れな購入者の利益の保護や円滑に不動産流通が進むよう、専門の知識を持った者が法に定める事務を行う必要があります。

その事務を行う、不動産取引法務の専門家が宅地建物取引士、すなわち、宅建士なのです。 不動産とは建物や土地等のことを言いますが、その取引は高額を要します。取引自体が法律行為ですし、不動産取引特有の法律も存在します。 そういった知識に乏しい購入者のために、宅建士は不動産取引のスペシャリストという立場で重要事項を説明しサポートします。

実際、不動産業者には、法で定める数の宅建士の設置を義務付けています。

宅建士しかできない独占業務とは

不動産取引は事実上宅建士がいないとできない取引です。どれは、宅建士にしかできない独占業務があるからです。それは、

  1. 契約締結前に行う重要事項の説明
  2. 重要事項説明書面への記名
  3. 契約内容を記した書面への記名

1.契約締結前に行う重要事項の説明

不動産取引の際、契約当事者へ契約内容の重要事項を説明します。それは宅建士の独占業務になります。その重要事項とは、

  • 取引対象不動産の権利関係
  • 取引対象不動産に係る法令上の制限
  • 取引対象不動産の状態やその見込み
  • 契約の条件

となります。

2.重要事項説明書面への記名

上の重要事項等が書かれた書面を「重要事項説明書/35条書面」と言いますが、この書面に「記載内容に相違ありません」の意味で宅建士の名で記名します。これも宅建士の独占業務になります。

3.契約内容を記した書面への記名

1.2は契約前に説明する重要事項で、双方納得すれば契約となります。で契約書をまくことになりますが、これを「37条書面」と言います。 この契約書への記名も宅建士のみが許される独占業務になります。 3つの独占業務でお分かりの通り、不動産取引は宅建士がいないとできないということになります。

宅建士はそれほど重要であり、かつ需要の高い国家資格です。

需要が広がる宅建士

宅建士の仕事は上にあるように不動産取引の事務ですが、需要の広がりを見せているのです。さきほど不動産屋には法で定める数の宅建士の設置が必須と言いましたが、宅建業(不動産取引業)を営むのは、何も不動産会社だけではありません。

例えば、建築業。自前で建てて販売する場合には、宅建業の許可が必要になりますが、当然、宅建士が必要になります。実際、建築会社社員には宅建士資格取得が推奨されているそうです。

銀行などの金融業にも宅建士資格が推奨されています。融資の際の不動産評価の場面で活躍できるのは宅建士や不動産鑑定士です。

このように、不動産取引の法務専門家という資格は、不動産会社だけに留まらない業界での需要が高まっており、そうなれば就職に有利なのは言うまでもなくキャリアアップにも寄与するのですね。

宅建試験とは

宅建資格が得られる国家試験の宅建試験。この試験内容についてお話します。

宅建の受験者数

宅建士試験って人気国家試験って知っていました?それも「超」が付くほどの。 宅建試験って年に1回しか実施されない試験なんですけど、一時期は40万人(!)ほどの人が受験していたんですよね。

これはバブルの頃なんで受験者数もバブルでしたが、超人気国家資格試験であることは今でも変わりません。 下は過去10回分の宅地建物取扱士試験の申込者数と受験者数です(一般財団法人 不動産適正取引推進機構のデータより)。

 

年度 申込者数(人) 受験者数(人)
28 245,742 198,463
29 258,511 209,354
30 265,444 213,993
令和元 276,019 220,797
2 10月試験:204,163 12月試験:55,121 10月試験:168,989 12月試験:35,261
3 10月試験:256,704 12月試験:39,814 10月試験:209,749 12月試験:24,965
4 283,856 226,048
5 289,096 233,276


令和2年度3年はいずれもコロナの関係で年2回実施となっていますが4年度より元に戻り年一実施となっています。

ご覧のように、バブル期をピークに減少傾向だった受験者数が、また上昇トレンドですね。それにしても、20万人が受験する国家資格試験ってスゴイです(*_*)確か、受験者数が最も多い国家資格試験です。

宅建が人気試験である理由

宅建って、なぜこんなに人気があるのでしょう?それは以下のような理由が挙げられます。

  • 宅建は拡張性のある資格
  • 潰しがきく職業
  • キャリアアップに繋がる
  • 再就職が比較的容易になる
  • 比較的気軽に受けられる国家資格
  • 法律国家資格の登竜門

宅建は拡張性のある資格

宅建という資格、結構拡張性があると言いますか、「使える」資格としての評判があります。上にもあるように、宅建の資格の需要性は、今でも広がりを見せています。 不動産分野のみならず、建築業や金融業にも大きな需要がありますので、人気資格にもなるでしょう。

潰しがきく職業

宅建という資格をがあれば、潰しがきくといいますか、持っていれば一生食いっぱぐれがないと言えます。

不動産取引など無くなることがないでしょうし、他業界にも高い需要を示しています。 まったく関係ない業界の社会人でも、資格を取っておいて早期退職を利用して転職ということも可能です。

潰しがないと転職せざるを得ないときには不安しか残りませんが、需要性の高い資格を有していればそれほど心配はないのではないでしょうか。

キャリアアップに繋がる

先ほども言いましたが、宅建資格の有無はキャリアアップに大きな影響を及ぼします。 宅建試験の合格者属性を見ていくと、最も多いのは不動産業界の人間ですが、キャリアアップ目的であることは明らかでしょう。キャリアアップは直接給与に跳ね返ってきます。

再就職が比較的容易になる

例えば、宅建資格のある女性が産休や結婚等で一旦職から離れるとします。そして一定期間経過し同じ業界に再就職しようとすれば、宅建資格があれば再就職が比較的容易になるでしょう。

「看護師資格があればどこでも働ける」というのがありますが、それに近いものがあると思います。

比較的気軽に受けられる国家資格

一つは、国家資格の割には気軽に受験できるというものがあると思います。 国家資格試験と言うと、結構難しいってイメージありませんか?実際、そういう面もあると思います。

宅建試験も決して簡単ということはありません。それなりの期間の学習は必要ですし、受験しても合格できない人の方がはるかに多いのですから。

法律国家資格の登竜門

法律国家資格。きっと定義は様々あるのでしょうが、頂点は文系国家資格最難関と言われる司法試験(予備試験含む)であることは間違いないでしょう。 宅建も法律国家資格の一つと数えられることが多いです。

そして、宅建は法律国家資格試験の中では比較的ハードルが低いと言えます。 ですから、いずれは司法試験合格を目指している方が、まずは宅建から調整んするというケースが少なくないのです。

宅建に合格してから次の行政書士、、そして、司法書士と挑戦していくという、段階踏んでステップを狙っているのですね。 それが良いとも悪いとも言えません。そうでなくても受かる人は受かりますし落ちる人は落ちますから。いずれにせよ、法律国家資格試験の登竜門として宅建を受験する人も毎年いらっしゃいます。

宅建試験の実施概要

宅地建物取扱士試験(宅建試験)の実施要項についてお話しましょう。

試験実施日

宅建試験は、年1回実施されます。 例年10月の第3日曜日です。令和2年3年はコロナの関係で10月12月と人数制限を行った関係で年2回の実施となりましたが、令和5年度では年位置に戻っています。10月15日に実施されました。

受験資格

宅建資格の受験資格ですが特に制限はありません。年齢・性別・国籍による制限はありません。誰でも受験できます。但し、合格後の宅建士登録には一定の要件があります(宅建業法18条)。

受験申込について

試験の案内は、毎年、7月1日より「一般財団法人 不動産適正取引推進機構」のHP上にて発表になります。同時に願書(試験申込書)の入手方法も掲載されます。受験手数料は7,000円です。 そして後日(大体9月の末)、受験票が送付されてきます。

試験会場

試験会場は全国各地としか申し上げられません(苦笑)。何せ、今でも20万人以上の方が受験する国家資格試験です。毎年の試験案内にてご確認頂ければと思います。 原則として、受験者のお住まいの都道府県会場にて受験することになろうかということです。

合格発表

原則として、11月の最終水曜日か12月の第一水曜日となります。合格発表は各都道府県ごとになされます。発表方法は指定場所に掲示されます。また、合格者には合格証明書が郵送されてきます。

試験方法

試験は4肢選択式のマークシート方式。問題文があってそれに対する解答と4つの肢から選んでマークシートに記載する方式ですね。 問題数は50問です。試験時間2時間。例年、13時~15時です。120分で50問解かなければならない計算ですね。 参照:宅建試験合格点について

試験科目

試験問題は7つの分野から出題されます。カッコ内は出題数です。

  • 土地・建物(2問)・・・土地や建物の形質などに関すること。
  • 権利関係(14問)・・・土地や建物についての権利や権利変動に関する法令。民法や借地借家法、区分所有法、不動産登記法から出題。
  • 法令上の制限(8問)・・・土地や建物の法令上の制限について。国土利用計画法、都市計画法、建築基準法等より出題。
  • 税(2問)・・・宅地や建物の税に関する法令。
  • 需給関係(3問)・・・宅地や建物の需給に関する法令及び実務。
  • 鑑定評価(1問)・・・宅地や建物の価格の評定に関すること。
  • 宅建業法(20問)・・・宅地建物取引業法、および同施行令、同施行規則

申込から合格発表までの時系列チャート

このページここまで書いたこと、申込から合格発表までのスケジュールをチャート方式で振り返ってみます。

  1. 1.毎年7月1日 試験案内(試験申込書)の配布
  2. 2.同7月初旬 試験申込書の受付
  3. 3.9月の末頃、受験票の送付
  4. 4.10月第3日曜日 全国各地で試験実施
  5. 5. 11月の最終水曜日~12月第一水曜日 合格発表(掲示)、合格証書の送付

まとめ

以上、宅建とはどういったものかについて説明させていただきました。 宅建とは職業として魅力があり将来性も問題なく、宅建試験に合格すれば資格取得できるということです。